ジユウニハタラク

自責思考のマインドを女性専用サロンオーナーに聞いてみた!

インタビュイー: 漆川沙弥香さん
インタビュアー: 樋口周人

20代でのキャリアの悩み

本日はよろしくお願い致します!まずは漆川先生の現在までの経歴について、教えてください!

高校を卒業して理学療法士の養成校へ入学しました。専門学校卒業後は整形外科のクリニックに就職して5年間勤めました。そこから次の職場を探そうかなと思っていたタイミングで養成校時代の恩師に声をかけていただいて、専門学校の教員として働くことになったんです。

なるほど!臨床経験5年で教員としての道を選択されたのですね。比較的若いうちから教員として経験を積む中でなにか感じたことはありましたか?

専門学校の教員はそこから11年することになったのですが、その間に自分の専門って何なんだろうっていうのを…ずっと考えていましたね。

教員をしながらキャリアを模索していたということでしょうか?

そうですね、学校の中でいろんな授業をやりながら、自分の理学療法士としての今後のキャリアといったらちょっと大げさですけれども、自分が何をしていきたいんだろうっていうのをずっと考えていました。

そこから現在の道に行かれたと思うのですが、転換点(ターニングポイント)のようなことがあったのでしょうか?

2012年に、ウィメンズヘルス理学療法研究会というのが立ち上がるというのをSNSで見て、コレだ!と思いました。「私も研究会に行きたいんですけどどうしたらいいですか」って、SNSの投稿者の方へお聞きして、第1回目に参加させていただいたのが始まりでウィメンズヘルスの勉強を本格的にはじめていきました。

行動が早いですね!笑 ウィメンズヘルスという領域にビビッと来るものがあったのでしょうか?

理学療法士は病院の中もしくは介護現場で働くということが、ほとんどの時代でもあったので、その領域以外の思考ができていないという状況にモヤモヤしていて。。。理学療法士としてはやっていきたいと思いながら、でもその領域ではない何かってなんだろう?みたいなものを、ずっと探り続けていて、ウィメンズヘルスに出会って、直感的にこれだなと思ったんです。

直感は大事って言いますからね!

そこから勉強を始めて、それでもまだまだお仕事として関わることができないので、例えば産後のこととか月経のこととか勉強したとしても、ケアの方法を現場で実践するっていうのができなくて、ただただ勉強するっていう日々が5年間ぐらい続いてて、、、

座学だけで5年間続けるというのも熱量がないとできることではないですよね。

そうしていたら、ちょうど私が働いていた学校の敷地内にある産科婦人科のある病院で、産後ケアを立ち上げないかっていう話をいただいて。やっと現場で学んできたことを実践できる場所を与えていただきました。それが2017年でした。

続けていれば、自然とチャンスを引き寄せるものなんですね。。。継続がいかに大事か思い知らされます。

現場で実践をさせていただいて1年ぐらい経った時、当時37歳だったんですけど、私はこの先どういうふうに生きていきたいのか、初めて自分の人生を真剣に考えるようになりました。

おー!またここでもいまの自分に疑問を持ち始めたんですね。

はい。というのも、理学療法士になってからはなんとなく与えられた環境の中で生きているっていう感じだったので。そんなに真剣に自分の人生について考えたことがなかったんです。

(割りと考えられているほうだと思いますが・・・笑)

初めて自分の人生について考えたとき、やっぱり女性のヘルスケア分野の仕事がしたいと思って、そこから個人事業主になって現在に至ります。

事業を開始してどれくらい経っているのでしょうか?

今年の6月で6年になりますね。早かったなー (笑)

開業する前のお話しを少し聞かせてください。一番初めの就職先は小児も対象とした整形外科クリニックとお聞きしているのですが、そこで整形外科領域を極めようとならなかった理由はなんだったのでしょうか?

臨床時代に考えていたこととしては、例えば変形性膝関節症の方が来られて、O脚変形になってしまった状態の足を真っ直ぐに戻すことってできないじゃないですか。そういう状態を目の当たりにした時に、悪くなる前から予防的にアプローチしないといけないんだろうなという思いがあって、物事の根本に迫りたいという気持ちが強くなってきました。

当時から予防理学療法的な視点が先生にはあったということですね。

そうですね〜。あったのかな?あったんだと思います。(笑)

そんなことを考えながら過ごされたクリニック時代の5年経間を経て、漆川先生は冒頭にさらっと教員になりましたって言われてましたけど、ここは誰もが、さらっとなれないような気がするんですけど。(笑) どうでしょうか。

全然さらっととかじゃないんですけど (笑) 思い返すと、今でこそ人前で話す仕事がしたいとか言ってるんですけど、そもそも最もなりたくない職業が教員だったんですよ。

!?!?

そうなりますよね。(笑) 当時の私は、人前で話すと頭が真っ白になって何話していいか分からない性格だったので、教員にはなりたくないと思っていたんですね。

今とは正反対の性格だったんですね。

そうです。クリニックに就職して5年経ったときに、次の就職先を探そうかなと思って、学生時代の先生に相談しに行ったんです。そしたら、「ウチに来ない?」って言われて、、、
そのときは、「絶対無理ですって、無理無理無理」って言って。(笑)

拒否反応がすごいですね。(笑) はい!やります!って言いそうなイメージですが。

教員になんて絶対になりたくないとは言いませんけど(笑)、私は人前で話すなんて無理ですって言って。じゃあちょっと考えてと言われて、2ヶ月後にまた会うことになって、2ヶ月間どうやって断ろうかなって、ひたすら考えたんですね。(笑)
2ヶ月後にまた先生にお会いして、やっぱり不安ですと。人前で話すのも緊張するし。その当時声かけていただいたのが26歳だから余計にそう思っていたんだと思います。

26歳で教員はたしかに不安もありそうですね。

こんな私に何もできないと思いますって。不安の気持ちを言ったら、その先生が、ベテランの先生だからできることと、学生に近い年代、近い距離だから、できることがあるって言われて、妙に納得してしまったんですね。

聞きながら、僕も納得しました (笑) 言われてみればたしかにーって僕もなりそうです。

という流れで、断るつもりが教員をやることになったという (笑)

エピソードが面白いです。(笑) 漆川先生に対して教員オファーをされた先生は、漆川先生のどんなところを買っていたんですかね。考えられたことはありますか。

なんで誘ってくれたんだろう、、、いざ聞かれると分からないですね。勉強は頑張ってやってはいましたけど。ただ、小児分野に興味はあって、実習にも行かせていただいたんですよね。その先生は小児を専門にされていた先生だったので、色んなタイミングが合って誘っていただいたのだと思います。

ということは教員時代は小児を担当されたんですか。

11年間小児を担当しました。

それはちょっとイメージなかったですね。教員の時点でウィメンズヘルスに関連した科目を担当されていたのかと。その学校の特色としてウィメンズヘルスの科目を担当されてたんじゃないかなって勝手に予測してたんですけど。

教員になったときは、私自身もウィメンズヘルスっていう分野があることも知らなかったですね。その当時は教員としてウィメンズヘルスの話をしたっていう経験はほぼないですが、学生さんと一緒に、ピラティスを授業外でやったりとかはしていました。

小児の話題に戻るのですが、めちゃくちゃ難しいイメージがあるっていうか、実際難しかったという印象が強いですけど、先生は当時どんな授業をされてたんですか?

座学だけじゃなくて実技を多くしたり、動画を見てもらったりして、できるだけイメージをつけてもらうようにしていました。あとは、実際に脳性麻痺の方にきていただいてケーススタディーを取り入れていました。その方は、ご自身からお仕事の依頼をしてくださって、専門職の学校で自分がモデルになることでお仕事をしていきたいということで、2コマくらいはその方に来ていただいて実際に触らせてもらったり、トランスファーをさせてもらったりしていました。

なるほど。それはかなり勉強になったでしょうね。

学生さんはとても印象に残っているみたいですね。
やっぱり授業作りってとても難しいなと思うんですけど、いかに興味を持ってもらえるかを私は授業の中で大事にしていました。どうしても話ばっかりが続くとか、こっちの授業作りの展開が上手くいってない時とかは寝ちゃったりする学生さんの数が多かったりして。それをどう最初に耳を開いてもらうか、目を開いてもらうかが大事だなと思うんですよね。なので、どうやって興味を惹きつけられるかというところにこだわっていました。

それは11年間の教員生活で最終的に培われてきたのでしょうか。

納得いく授業展開っていうところまで自信を持っては言えないんですけど、自分の精神が未熟な時っていうのは、どうしても相手のせいにしたくなるというか。自分のことについてもそうですけど、自分に起こる事象は自分の責任であるっていう自責の考えで進んでいくと、こっちのスキルの無さが答えとしてこの授業の雰囲気になっていると思うんです。だからどうやったら、みんな(学生)が興味を持ってくれるかなとか考えながら授業はしていました。ただそれでも、学生を100%寝せない授業って難しかったです。

自責思考、、、非常に大事ですよね。

自責思考は大事ですよね。なかなか難しいですけどね。感情が高ぶっちゃったりするときもあります。それはそれで人間なので。感情を抑圧する必要はないと思うんですけど、これを相手にぶつけるのではなくて、なぜ自分がそう思ったのかっていうのを探っていくと、感情が高まりやすい自分のパターンのようなものがあるんです。じゃあそのパターンにどうやって付き合っていくかっていうことを考えるとストレスがとても減らせる気がします。

PROFILE

  • 漆川沙弥香さん

    2001年:理学療法士免許取得
    2001~2006年:医療法人 ふかほり整形外科クリニック
    2006年~2017年:福岡国際医療福祉学院 専任教員
    福岡山王病院の産科婦人科にて産後骨盤ケアの立ち上げ
    2017年~:WHHC(Women’s Holistic Health Company)として活動開始
    2022年:医療科学修士
    2022年8月~現在:LUTISとして活動