「リスクを背負う覚悟はあるか?」理学療法士のパラレルキャリアの築き方
病院勤務◯年目に起業しました。
ではお願いします。早速、今⽇はパラレルキャリアについて聞いていこうと思います!まず現在の肩書きを全部お聞きしてもいいですか?
⼀つ⽬、今の軸として働いている場所は、社会福祉法⼈もやい聖友会という法人です。クリニックや特別養護⽼⼈ホーム、デイサービス、保育園。あとは放課後等デイサービス、就労の施設とかサービス付き⾼齢者住宅とかを北九州で展開している企業です。そこの地域医療連携室の室⻑と、障害福祉部⾨の統括責任者を兼務させてもらっています。⼆つ⽬は、⼀般財団法⼈ファミリーヘルス財団という法人の北九州の事務部⻑のような肩書きになってるのかな。勝⼿に肩書きって⼊っていくものですからね。笑
三つ⽬が、北九州市にある、”みんなの薬局”という薬局の経営者です。四つ⽬が、⿇⽣リハビリテーション⼤学校という学校の⾮常勤講師をしています。五つ目が、NPO法⼈地域医療連携団体Needsという法人の代表理事をしています。最後の六つ⽬が、ライターです。主には転職・就職サイトのマイナビさんが運営しているマイナビセラピスト+というサイトの記事を書いていますね。
六つの肩書きがあるということで、まさにパラレルですね。どんな経緯でパラレルキャリアになったのかを聞いていきましょう。まず伊東さんが理学療法⼠になったのはなぜですか?
僕は元々公務員だったんです。元々、試験をちゃんと受けて公務員になったんですけど、公務員になった経緯に関しても、社会貢献、誰かの役に⽴ちたいといった思いがあって公務員になったんです。語弊があるかもしれませんが、公務員って内部事情は少しお堅くて自分が⽬の前の⼈のために動きたいと思ったとしても、なかなか動けない現状があって。僕は柔道をやってましたんで怪我することが多くて、リハビリのときに担当になった理学療法⼠の⽅と、お話をしてたら、⾃分が⽬の前の⼈のために動けないっていうのが、理学療法⼠という職業であれば⼀対⼀で色々とできるんじゃなかろうかと思ったのがきっかけですね。2年くらいで公務員から理学療法士の学校に行きました。
早めに切り替えるのは結構勇気ある決断だったんじゃないですか?
今色んなことをしていることにも繋がってくるんですけど、やっぱり思ったら挑戦しないとそこで⽴ち⽌まったままになっちゃうので。逆にそう思って⾏動したことが⼀般的な人から⾒たときに失敗と⾔われるような形になっていたとしても、⾃分でそれが納得がいくんであれば後悔はないかなと思っていて、勇気っていうよりか後悔のない選択の連続っていう感じです。
その時後悔のない選択をすれば、自ずと行動が起こったんですね。
養成校の卒後、病院勤務って何年ぐらいされてたんですか?
病院勤務は最初から3年と決めてました。
3年ですか。最初から決めていた理由はあったんですか?
公務員を2年ぐらいで辞めた⼈間が⾔うのはあれですけど…。理由はですね、1年⽬の新人のときは、いろんなことを覚えること精いっぱいですよね。学会発表とかで⾃分の中で結果を出したいっていうこともあって、理学療法⼠として挑戦する期間が1年必要だろうという理由でまず1年。2年⽬は結構色んなことに慣れてくる時期で、もしかしたら後輩も⼊ってくるかもしれないです。⾃分⾃⾝の成⻑に加えて、後輩の育成に携わりながら、理学療法⼠としてどのように成⻑段階を踏んでいくのかを⾒ていきたいのが2年⽬。
(しっかりしてる。)
3年⽬っていうのは、1年目・2年目で基礎を作った後に、これから⾃分がステップアップしようとしていくときの引き継ぎです。お世話になった病院にご迷惑をかけないように必要かなという理由で3年。あくまで個人的な意見ですが、それ以上を⻑くいると次に新しいことをしようと思ったときに⼿遅れになると思いました。
理学療法⼠になるときにそこまで考えてたんですね・・・
今、養成校の時の同じクラスの人たちを6名ぐらい⾃分の会社に呼んで働いてもらってるんです。学⽣時代から、いつになるかわからないけど、「俺はみんなが⼀緒に働いていける会社を起業して、将来的に病院と薬局を絶対に建てる!」って学⽣時代から宣⾔していたんですよ。
起業するにもやっぱり病院勤務が必要だったんですか?遠回りな気もしますが。
それは僕の中の持論があって。結局理学療法⼠の資格を取って、医療者としての基礎をしっかり学んでないと、理学療法⼠であることを他の⼈も⾔えないと思っていますし、これから医療者だと名乗る⾃分が恥ずかしくなる気がしてですね。色んなことが学べる病院で、何年間か働くのは⼤切だとはずっと思っていたんです。
理学療法⼠としての基礎を⾝につけるために必要な年数かもしれないですね。
はい。ただ今は病院でずっと定年されるまで働かれるとか、いろんな理学療法士の⽅がいらっしゃるじゃないですか。あくまで僕の⼈⽣のプランニングとしての年数が3年だったというだけで、⼈によっては1年の場合もあるでしょうし、定年まで働かれてから次のステップへという⽅もいると思うので、判断は個⼈によると思います。
病院勤務していて理学療法⼠の仕事に課題を感じてから、地域の医療連携の仕事を始めたのかなって思っていましたが違うんですね。
保険診療内のPTの仕事は「医師の指⽰のもと」というのが絶対に国の規定としてついてきますし、急性期病院で忙しくやってたとしても、救急の現場とかでPTが携われることって、結構少なかったりします。年間たくさんの数の理学療法⼠が誕⽣している中、誰かが突破⼝を開かないとせっかく誇りを持ってPTをやりたいと思った人が、淘汰される時代がもう間近に迫ってるんじゃないかなと思っちゃって。だから病院で感じたことは起業を加速させる材料になりました。臨床能力を高めるPTがいないと僕らの職域の専⾨性はなくなるので、PTとして極める⼈は極めてもらっていいんです。ただ僕みたいにPTの資格は持っているけど、社会に切り込んでいくような変な⼈間というのがいないとなとも思うわけです。
そもそも地域に対して貢献したいという気持ちがずっとあったんでしょうか?
元々、そうなんです。僕が祖⽗⺟に育てられたのがあるんです。僕⾃⾝、兄弟がいないからいろんな地域の⼈たちに⽀えられて、⽣きてきたんです。その中で⾃分1⼈では僅かな⼒しかないですが、どうか⼤⼈になったら、⾃分が僅かな⼒であったとしても周りの⼈と協⼒をして地域のお世話になった⼈へ恩返ししていきたいと思っていましたね。
なるほどですね。伊東さんのキャリア論が見えてきました。
先ほどライターの仕事もしているとありましたが、どうしたらライターになれるのでしょうか?子育て中の方やお小遣いが欲しいと思ってる人にはライターの仕事が合うんじゃないかと思いました。
⽂字で今まで⾃分がやってきたことを仕事として、発信できるようになりたいというのは常々あったんです。例えばYahooの記事とかは8割くらいが新聞社の記事で残り2割は⼀般の⼈のブログとか、企業さんがその企業の中でアップした記事がそのままメディアに出るみたいな感じです。いろんな記事を書かれている会社とかを⾒たら、ライター募集があったんです。
そういう構造になっているんですね。
その募集がライターの事務所だったんです。それで今まであなたが書いた⽂字をなんでもいいから、履歴書と一緒に送ってくださいみたいと言われましたね。伊藤さんは理学療法⼠医療の資格持ってますから、その系統の記事を書く機会があったら連絡しますねとなったわけです。最初書かしてもらった時、締め切りが1週間後と⾔われたんですけど、その1時間後に執筆して提出したんですよ。そしたら「こいつはやばいな」となって、専属のライターになったって感じです。
1時間ですか(笑)
ここできたチャンスを逃しちゃいかんなと思って早く頑張ったんですよね(笑)。⼊り⼝はそんな感じで上り詰めてったっていう感じです。だからしたい人はとにかくサイトを⾒た⽅がいいですね。お⼩遣い稼ぎたいとか、⼦どもたちが保育園に⾏ってるときにやりたい場合はとにかく⾏動して、仕事が来たら1時間で書いて渡せと思いすぐ返しなさいと伝えたいです。
では、現在されている六つの仕事あったんですけど、それはどんな順番で始めていったんですか?
最初は病院勤務して2年⽬にNPO法⼈を起業しました。
PROFILE
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- 伊東浩樹さん
2014年 理学療法士免許取得
2016年 NPO法人 地域医療連携団体.Needsを設立 現在は社会福祉法人もやい聖友会で地域医療連携室室⻑、障害福祉部⾨統括責任者として勤務しながら、リハビリテーションの養成校で講師をするなど多彩な活躍をしている。
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