自責思考のマインドを女性専用サロンオーナーに聞いてみた!
サロン活動とロゴに込めた思い
次は今のキャリアについてちょっと聞いていきたいなと思うんですけど。個人事業を始めるにあたってリスクって絶対伴うじゃないですか、雇われる側から雇うというわけではないですけど、自分で全て考えていかないといけないっていう、個人事業であり経営者になるということに、怖さなどはなかったのでしょうか。
怖さですね、そうですね〜。ただ、最初にも37歳の時に人生をしっかり考えたって言ったんですけど、20代後半くらいから10年間くらいはずっと「何かしたいけど、何ができるんだろう」って思いながら新たなフィールドを探していて、安定している教員職を辞めるには至らず、揺れていた10年があるわけなんですよね。そこでやっと37歳の時にウィメンズヘルスでいくって決めたんですけど、怖いとか怖くないっていう価値観よりも単純に自分がやりたいことがやりたいって思いが沸き上がってきたんです。今チャレンジしなかったら後悔する。年齢も37歳だし、どうかなって思ったんですけど、親が賛成してくれれば、やるって決めてて、それで親に相談した時にあなたがやりたいことで、それをやったらあなたが楽しいんだったらやったらいいじゃんって、普通に言われて。そうなの?いいの?みたいな (笑)
あとはもしダメだったとしても食いっぱぐれなければいいだろうぐらいの感じでした。食べていける手段はこの世の中あるだろうし、必要最低限の生活ができればいいやって気持ちでした。
親御さんの言葉感動しました。僕も後押しされた感覚になりました。信頼している人からの力強い言葉は嬉しいですね。
立場が変わって、いまは独立を考えている人から漆川先生へ相談があることも少なくないのではないでしょうか。
そうですね、たまにありますね。
やはりそれは、ウィメンズヘルス系の方からの相談になるのでしょうか。
そうですね、そういう方が多いように思います。
それは過去全員女性ですか?
ほぼ女性ですが、男性も数名おられた気がします。女性の場合は、ご家庭がある方が多い印象でした。
ええ。すごい。というか意外です。
お子さんがいらっしゃる方が自分で事業をする場合の例としては、サロン兼自宅でされているケースが多いような気がします。それと案外自分でやっている方が時間の都合が割とつきやすいですからね。病院だと勤務時間が固定されているじゃないですか。子どもが熱を出したら早退しなきゃとか周りの人に迷惑かけて申し訳ないっていう気持ちにもなる。自分でやっていると全部自分の采配でできるんですよ。例えばこの日は子供のお遊戯会があるから、予約は入れないでとかそういうコントロールができるし、何時まで働くっていうことも自分で決められるし、時間のマネジメントがしやすいんじゃないかなっていう印象があります。
確かにそう言われるとそうですね。
本日先生のzoomの背景になっているロゴについても触れていきたいのですが、名前の由来やロゴに託した思いなど教えてください。
そうですね、私はもともと2017年から2022年までWHHCという屋号で活動していました。
なるほど、割と最近なんですね今のサロン名になったのは。
そうなんですよ、去年(2022年)の夏ぐらいから今のサロン名に変更したんですけど、それまでは、自分のやりたいことをやりたいって思いで、実際に自分のやりたいことをやった5年間でした。去年ぐらいから、はたしてそれは社会の役に立っているのだろうか?っていう疑問が湧いてきて。自分の働きが社会の役に立っていなければ何の意味もないので、これから先はちょっと一つ視点を変えて社会の役に立てる働きをしていきたいなと思って、理念に共感いただいた方にロゴを作成してもらいました。
事業活動の新たな決意表明がロゴの変更だったということですね。
そうですね。以前はホームページは業者さんに作成してもらい、ロゴは自分でアプリで作成したものを使っていたりと、全部バラバラだったんです。理念とそれを表現するものが統一されていなかった。だけど、LUTISとして新たにホームページを作成する際には、それを統一したかったんです。業者さんとの話合いの中では、ホームページのデザインをどうしますか?とかじゃなくて、理念を考えましょうというところから始まりました。「女性が美しく生き生きと輝くための本質的な体づくりと場づくりを。」というのがLUTISの理念なんですけど、女性が美しいってどういうことでしょうね?生き生きと輝くってどういうことでしょうね?って、深掘りして聞いてくれたので理念が明確になっていって、ホームページに私の魂がのっているというか、思いがきちっと形になって作られていくそんな感覚でした。次にロゴを決めたのですが、蓮っていうのが私の中でイメージフラワーとしてあって、お家からもちょうど蓮が見えたりとかで、なんだか縁があるなと思っていたところが由来です。サロン名はアラビア語でハスっていう意味なんですけど、中東のハスの生命力ってすごいなって。過酷な環境でもグッと根を張って強い感じで立ち上がっていて、花が咲くっていう。洗練された気品のある雰囲気が、私自身が事業として実現したいイメージだったのもありますね。もう一つは私が”月経”を最も専門としているため、月の満ち欠けっていうのも、このロゴの中にイメージされています。月と蓮っていうので金色の部分の葉と白の部分の葉が重なり合い、私と対象者となる女性がお互い様の精神で支え合っていくという意味を込めています。
ロゴに込めている思いがとても奥が深いですね。
サロン名の由来やロゴについてよく理解できました。つづいてはサロンとしての具体的な運営方法や日々の活動について詳しくお伺いしたいと思います。具体的には、サロンの運営形態やサロン以外での活動、タイムマネジメントについても知りたいと思っています。まずは、どのようにサロンを運営しているのか、教えていただけますか?
サロンの運営は、女性に特化して行っていて、月経痛やPMS(月経前症候群)のある方、骨盤痛や尿漏れがある方、そして骨盤底筋トレーニングをしっかりと行いたい方々を対象に、月経と産後の予防的ケア、そして骨盤底筋トレーニングを行っています。これらがLUTISのサロン事業の主な軸となっています。
おっしゃる通り、女性に特化した内容ばかりですね。
また、サロン業務以外では専門家向けのセミナーも行っています。そのセミナーも、月経・産前・産後・骨盤底筋のケアという3本の軸を持ち、多くは理学療法士や作業療法士、医師、整体師などの専門職の方たちや、トレーニングの専門家、ピラティスやヨガのインストラクターなどボディワーカーの方たちが受講されています。あとは大学や専門学校で授業をさせてもらっています。医療系じゃない大学生の皆さんには「女性の体について」や、「月経をどうやってマネジメントしていくか」といった内容で講義をしています。
サロン運営するにあたってクライアントは何を見て現サロンを知ることができるのでしょうか。インスタグラムをされているのは知っていて、投稿もよく拝見させていただいています。
インスタからも当然来られると思いますし、あとは紹介が多いですね。
私のことを全く知らなかったけど、ホームページを見てきましたという方はほぼいません (笑)。多くは専門職の方で、セミナーを受けて自分のことを見てほしいと言って来てくださる方が多いです。あとは同業者の方から、「友達や家族が産後で困っているからみてもらえますか」という形で来ていただくこともあります。
サロン自体は平日に稼働しているのでしょうか。
平日1日と土日を合わせて、月に6回前後、サロンをオープンしています。
利用がある日にオープンしているということですね。
セミナーの話もされていたのでセミナーについてもお聞きしたいんですけど、ものすごく個人的に気になっていることを言うと、例えばピラティスにしても何かのトレーナーにしてもウィメンズヘルスの講師になるような先生方って、その前は自分もセミナーを受ける側だったわけじゃないですか。そこから人に教えられるなって思うタイミングってどこなんだろうって思うんです。人に教えられるなと自分で思うタイミング、つまり自信を持って誰かに対して情報を提供できるっていうラインってどこなんだろうなって、今ってもう講師になろうとすれば簡単になれる時代じゃないですか。
私のなかに明確なラインはないんですけど、一つは教員をしていたっていうのはあるかもしれないですね。学問を教える・伝える仕事をしていたので、とにかくこんな有益な情報があるんだから伝えたい、こういう運動療法があってこういう風に証明されてますよ、だからみんな知らなきゃ損じゃない?みたいな。一人でも多くの人が楽になるのであれば、シンプルにただ伝えたい、私はそれだけです。
なるほど。僕が考えすぎてたのかもしれないですね。やっぱりきちんと教えなきゃとか、きちっとされてる方ほど、そういうふうに思って、人前に立つことをはばかれそうですよね。ちなみになのですが、そのような講師活動の中で、理学療法士協会の研修などが活きた場面はありますか?
ウィメンズヘルス領域や運動器領域の研修会や学術大会に参加し、学会発表をしたり、最新の知見を情報収集することで研鑽を積んだりするなかで、そこで得た知識や技術をサロンに来てくださる女性に還元できていると思います。
それはよかったです。そういえば、漆川先生は大学院にも行かれてましたよね。
はい。行ってました。
そういう経験もあることで、ある程度自分が持っている情報に対しての信憑性や、良い情報や質の高い情報の精査をすることができますよね。
そうですね、本当におっしゃられる通りで、この分野って確定的なことってまだまだ証明されていなかったり、そもそも研究自体が少なかったり、なんとなくこうらしいっていう情報がいろいろ世の中にあったりするんですよね。情報の精査ってすごく難しいと思うんですけど、大学院に行くまではこれでいいのかなっていう不安は常にあって、自分がセミナーで伝えているその情報は本当に有益な情報なんだろうかと悩む時もあり、色んな方に相談していました。けど大学院に行って情報の精査をできるようになり、証明されているものであれば自信を持って伝えていいんじゃないかとか、これはあまりまだ証明されていないけど、例えば私が臨床でやってみてすごく効果を感じたものだから、これは私の臨床感として伝える情報としたら良いのではないかとか、伝える時のすみ分けができるようになったように思います。以前は、証明されているものとそうでないものを並列に伝えていましたが、今は、これは今証明されています。これは今私が臨床で感じていることです。というように情報を棲み分けて、両輪で伝えられるようになりました。
セミナーへの思いや考えについてよく分かりました。
大学院の経験が事業に活きているんですね。
そうですね。私に必要なものを与えていただいたと思います。ありがたいことにそのまま研究を続ける環境も整えていただいていて、本当にありがたいです。
PROFILE
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- 漆川沙弥香さん
2001年:理学療法士免許取得
2001~2006年:医療法人 ふかほり整形外科クリニック
2006年~2017年:福岡国際医療福祉学院 専任教員
福岡山王病院の産科婦人科にて産後骨盤ケアの立ち上げ
2017年~:WHHC(Women’s Holistic Health Company)として活動開始
2022年:医療科学修士
2022年8月~現在:LUTISとして活動
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