第32回福岡県理学療法士学会タイアップインタビュー
ここが見どころ!第32回福岡県理学療法士学会の注目ポイント!
ここからは第32回福岡県理学療法士学会の見どころをたっぷり聞かせていただきたいなと思います。テーマに入っている“VUCA”というワードも然りですし、ホームページで、動画を用いてプログラムの解説をいれるなど、ちょっと雰囲気が違うなっていうのを感じていました。まずは、今回の学会テーマに至った経緯などお話を聞ければなと思います。
はい。不安定性(Volatility)、不確実性(Uncertainty)、複雑性(Complexity)、曖昧性(Ambiguity)のある状況を“VUCA”と言うことを知って、まさに今の社会を象徴するなって感じました。そこで、この“VUCA”というキーワードを調べたところ、実は、ビジネスの世界では当たり前に使われていることを知って、世の中の流れに即したマインドがあるんだと感動しました。でも、何か医療業界って、医療の中での知識しか把握できていないのではという印象を感じて。ビジネスで活躍している人って、幅広い視点で勉強している人たちが多いじゃないですか。そう考えたときにやっぱ医療の中だけにとどまっちゃいけないなと。あとそれとは別に、自分が教員だからというのもあって、何かちょっとこれまでの臨床よりとは違う形式の学会にしたいなっていうのがあったんですよ。
そこで、理学療法士が“VUCA”の時代をどう生き抜いていけばいいのか、そのための核って何なのかというのを考えたときに、“教育学”、“分析疫学”、“支援工学”の三つが核になるなと思って、今回のプログラムを作りました。
テーマやコンセプトは私の考えが強いですが、実際のプログラムの構成は学会部の先生たちが協力してやってくれてるんで、1人でこんな大きなことが実現できたわけではないんですよね。福岡県の県学会は、学会長は毎年変わりますけど学会部のメンバーが概ね毎年一緒なので、色々ノウハウも知っていて頼りがいがあります。これは、珍しい体制なのかもしれませんね。
そういった背景があったのですね。冒頭にあったビジネスの話なんですけど、僕も1月に職場を変えてから、実感するところがあります。医療の現場にいる理学療法士が、ビジネスの情報を知らない方が多いというのは、どういうことが要因として考えられると思いますか。
そうですね。大きな要因は、診療報酬体系の中で仕事をさせてもらってますので、自分たちで世の中の変動と顧客のニーズに合わせて経済的に自立した仕事をするっていう感覚があまりないところですかね。特に現場で働く人たちには、ビジネスの知識を知る必要がないですもんね。でも、ビジネスの世界ってまた全然違うじゃないですか。世の中に必要ないものはすぐに淘汰されるし、どう社会的な役割を果たした上でビジネスとして成り立たせるのかっていう世界で生きてるんで。ただ、それが日本の医療業界ですし、だからこそ、誰でもどこでも同じ水準の医療が提供できているというメリットがあると思うので、こればかりは仕方ないのかなって感じですね。
今回の学会でも、そういうメッセージ性とか意識して、プログラムや学会の構成を考えられたのですか?
自分が実際にビジネスをやっているわけではないから、大それたことは言えませんが。これからの時代を生き抜くために、理学療法の領域だけでなく幅広く知っておくことが、大切じゃないかなということが伝わればと思っています。もちろんビジネスのことを知りなさいとかではなくて。色々な考えはあると思いますが、自分の中では“分析疫学”、“支援工学”、“教育学”を核としてしっかり持っておくことで、色々と応用できるんじゃないかっていう思いがあります。
確かにですね。今回のテーマを見ても本当にそうだなって、自分自身感じるところがあります。今後、理学療法士がこの“VUCA”の時代を生きていく中で、大切になる考え方とか要素って考えがあったりしますでしょうか?
どう向き合っていくかですよね。難しいんですよそこは。これに関して、明確な答えはないんですよ。学会を通して、“VUCA”時代の理学療法とどう向き合っていくのか、みんなで考えましょうっていうのが大事なコンセプトの一つです。
明確な答えはなくとも、向き合って考えることが大切ですよね。
普段頑張って意識している人たちは、そういうことを自然に考えていると思うんですけど。若手の方とか、今まで考えてきてなかった人にも、考えるきっかけを与えるのが学会の役割だと。今回の学会を通じて、何かきっかけになればいいなと!
そこが、今回の学会の見どころの一つですね。その他に学会長として、本学会の注目ポイントとかはありますでしょうか?
テーマに対して一貫性のある学術的なプログラムというところですね。
“VUCA時代の理学療法を考える”という大きな傘の中で、一貫性のある講師をお呼びして、学会部の協力のもとプログラムを構成してもらいました。プログラムに関して一切の妥協点はないです。自分的に大満足です。
これは記事中でも前面に押しておきます!
本当にすごく良い学会になると感じています。
目指していた通りの学会プログラムの内容になりました。
開催が待ち遠しいですね。
理想のプログラムにたどり着くまでに大変だったこととか苦労したことはありますか?
学会部の先生と話しながらだし、自分が大方やりたいこともベースとしてあったので。大変とかそういうのはあまりなかったですね。それを形にしてもらえるように、説明したっていうのももちろんなんですけど、運営には慣れてる先生たちばっかりなんで、どう運営するかノウハウを知っているのが心強かったです。なので、どういう学会にしたいかっていうところを熱く説明しました。学会部理事と部長の先生達が全面にサポートしてくれて、私の理想を叶えてくれたって感じですね。
コンセプトをしっかり持ち、学会がどういうところを目指してるっていうのを、運営メンバー間で常に意識してコミュニケーション取ることが、理想の学会を作り上げる上で大事になってくるのかなっていう印象を受けました。
コンセプトとある程度軸となるプログラムというのは、学会長がちゃんと考える責任があると思うんですけど。そこの共通認識が得られたら、みんなで頑張っていくって感じです。1人で全部なんて考えない方がいいですね。何か物事を進めようと思ったときに、軸となるコンセプトと思いを伝えて、それ以外はみんなで作っていきませんかってことですよね。多分、今回の県学会は、学会部の先生たちもいろいろと挑戦しようっていう雰囲気もあって、タイミングがたまたま重なったので運が良かったと思います。テーマがテーマだし挑戦がしやすかったっていうのも、もちろんあったのではないかと思いますけど。
タイミングもいいきっかけになったということですね。これは是非、より多くの人に学会に参加していただいて、みんなで考えていきたいですね。この“VUCA”な時代をどう生きていくかをですね。
そうですね。答えはないですから。
理学療法士としてってよりかは、1人の人間として生きていく上で、どうみんな生きていくんですか?この“VUCA”の時代をっていうことを問いたいです。教員として学生とかかわるときは、そういうことを伝えているんですよ。理学療法士の免許を取るのは当たり前なんで、それからどう生きるのかを話しています。
これは個人的に大きいメッセージだと感じました。どう生きていくかっていうところですね。
そこは私自身常に考えていますね。こんな先の見えない時代をどうやって、また、やりがいを持って今後20年も理学療法士をやっていくんだ?ってところです(笑)。
ありがとうございます。第32回福岡県理学療法士学会の見所をたっぷりと話していただきありがとうございます。県学会は会員であれば当日参加も可能ですので、是非、現地に集まって皆さんでこの壮大テーマに向き合っていきましょう。
本事業はFUree worKUといいまして、1人1人が自分らしくジユウニハタラクことを支援することをコンセプトとしています。そこで、齊藤先生に最後にジユウニハタラクとは何かを伺ってこのインタビューを締めたいと思います。
いろいろ考えてしまいますが、普段考えていることを話さないとですよね。自分のポリシーというか自分の生き方ですよね。それで言うと、「身の丈のレベルに合った、身の丈に合ったスピードで働く」っていうだけなんですよね。自分自身に求めすぎると苦しくなるんですよ、自分の出来なさとかですね。逆に自分の能力が活かされていない中でやると、これまた窮屈でやりがいを感じない。身の丈にあったことを身の丈に合ったスピードで。そうしてると、自分のレベルで成長していくんで、ジユウニできてる感覚にはなってくるんじゃないかなと思ってるんですよね。
ありがとうございます。今は、良くも悪くも誰かと比較しやすい時代になったからこそ、とても大事な考えた方だと感じました。
そして最後にもう一回、今回の学会の宣伝をお願いしてもよろしいでしょうか。
はい。学会のHPを見てもらうと告知動画があります。告知動画でこれだけプログラムのことをちゃんと紹介してるのは、他の学会でもそうないことなので。ぜひ、告知動画まで含めて見てもらいたいなと。あとは、久々の対面学会なんで、とりあえず現地に来てみんなで喋りましょうってところですね。
本日は長時間にわたり本当にありがとうございました。
クレジットでの事前参加登録は5月13日(土)まで可能です!!!!!
↓
こちらからぜひ参加登録を。
PROFILE
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- 齊藤貴文さん
九州大学大学院 博士(人間環境学)
2001年 理学療法士免許取得
2001年 喜多村クリニックへ入職
2007年 麻生リハビリテーション大学校へ入職
2022年 令和健康科学大学へ入職
Researchmap:https://researchmap.jp/saito.t
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