女性が働きやすい職場とは?ママさん理学療法士に聞いてみた。
周囲の人が”見守ってくれているんだな”と感じた瞬間
本日はお忙しいところありがとうございます。加治屋さんへのインタビューを通して働くお母さん理学療法士のリアルに迫っていきたいと思います。
緊張しますね (笑) 一応、自分の考えとかを紙にまとめて考えてきました。
え!それは期待できそうですね。まず今の職場にあってよかった制度や職場⾵⼟について何かあれば教えてください。
制度の話しで言えば他の医療機関とあまり変わらないと思います。うちの病院は⽐較的、若いスタッフが多くて、結婚・妊娠出産を経験する職員が多く、男⼥ともに⼦育て世代のスタッフが多いので、役職者含めて⼦供の体調不良や、急遽の休みに対しての理解があるので、申し訳なさももちろんあるのですが、休みやすい雰囲気があるというのがとても助かっていますね。
休みやすい雰囲気ってものすごく大事ですよね。
5、6年前に初めて男性スタッフが育休を取得したのをきっかけに、男性も申し出れば育休を取得しやすい雰囲気があるかなというふうに思います。特に⼥性スタッフは育休復帰後に、育児短時間制度を利⽤する職員が多いです。
男性の育休取得って言葉だけが先行してなかなか浸透していないイメージですが、そのような風土があるのはいいことですよね。
私が勤めている職場ではワークライフバランスに配慮した、リハビリ科の次世代育成⽀援制度というものがあり、既婚者の待遇処置、妊婦さんやその配偶者に対する待遇処置、育児に関する待遇処置でそれぞれ⽀援体制が整えられていて、しっかりと仕組み作りが作られているなと思います。
さきほど男性の育休の話題が出たと思うのですが、5、6年前から取れるようになったのって、なにかきっかけがあったのでしょうか?
男性スタッフが育休取得を申し出たのをきっかけに、職場の状況や当事者の休暇期間等の希望を考慮して取得開始時期や休暇期間等を決定したようです。ただ初めの男性の育休取得ということもありスムーズに取得するという流れにはならなかったようです。
加治屋さんの立場でお聞きしたいのですが、旦那さんが加治屋さんやお子さんのことを思って育休を取得されるとするじゃないですか?期間として1年くらい取得してもらったほうがありがたいんでしょうか?
うーん。私個人の意見ですが、両親はまだ仕事をしているのと、あまり人に頼れない性格で産後もできる限りあまり人に頼らずに生活しようと思っていたのもあり、一緒に家事・育児をするのであれば良い制度であると思いますが、ただの休みの感覚で過ごされていたら私は嫌になるかもしれないですね。ただ、2⼈⽬を出産した後に新型コロナの流行が始まり、上の⼦は保育園の登園が自粛で家庭保育となり、半年近く外出も自粛で子供2⼈と家に籠る日々でした。外出自粛が当たり前というのもあって、⼦供を2人連れて買い物に⾏くのも大変でもちろん息抜きもできなかったのと、私自身が産後に体調を崩したこともあり、病院を受診するのも子供がいると大変なので、数か月・1年間とは言いませんが、数日でも1週間でもまとまった休みが取得できれば助かるなと思ったことはあります。
今このタイミングで家庭が大変だから2週間くらい休みますというパターンはあまりないかもしれないですね。職場風土についてもう少しだけ詳しく聞かせてください。上司や同僚にしてもらって助かったというエピソードはありますか?
私は1人目、2人目とも⽐較的妊娠期間中のトラブルがなかったので、安定期に入ってから産休に⼊るまでは比較的元気に動けていたのですが、床から物を取る、大きな物を運ぶ、あと⾃分の中では運動のつもりで病棟間の移動をエレベーターではなく階段で移動していたら、他の職員が声をかけてくれて物を持ってくれたり、遠慮せずに階段を使うようにと声かけしてくれたり、特別なことではないんですけど、意外と周囲の職員が”見守ってくれているんだな”というのを感じながら仕事をすることができてました。
誰かが見守ってくれている安心感ってなにより大きいかもしれないですね。
声かけをしてくれたのは男性の科⻑だったんです。科⻑も⼦供さんがいらっしゃるのもあると思うのですが、妊娠中からとても身体を心配してくださいました。
温かな職場風土作りが、上司の雰囲気作りから始まっているんだなと思えました。そのような雰囲気がスタッフに(良い意味で)伝染しているんでしょうね。
それはあると思いますね。
妊娠中周囲の⼈に気づいてほしい体調不良のサインというのはあるのでしょうか?
実際、本当は⾔いたいけど、⾔えない妊娠初期が⼀番きついかなと思います。結局、妊娠初期は、つわりのある時期で精神的にも色々と不安になる時期だと思いますし、ほとんどのスタッフは安定期に⼊るまで公にしないことが多いと思います。患者様の振り分け等もあるので、科長や報告が必要な⼈には報告してたんですけど、患者業務中に急に体調が悪くなることがあるので、状況を把握している人には顔色とかを気にかけてもらえるとありがたいなとは思います。
おっしゃるように、スタッフ全員に周知されるのって安定期を過ぎたときくらいが多いですよね。
安定期に⼊ってからも、体の変化が出てくるタイミングで、腰や股関節痛が出てきたり、長く⽴っておくのがしんどいとか、周りにもそういうスタッフがいたので、可能な範囲で時間に余裕のあるスケジューリングを組めるようにできたら助かるなと思います。
患者さんを診てる時間で体調が悪くなったときはどうしようもないですよね。ちなみにその時は、気合いでどうにかするような感じだったのでしょうか?
嘔気もいつでるか自分でも予測がつかないので、悪くなりそうなときは早めに他のスタッフに声をかけてトイレに行ったり人目につかないところで休んでました。私自身は、意外と仕事をしてるときの⽅が、気を張っているからか、つわりがある時期も含めて気持ち的に楽でした。
とても参考になる意見ですね。特に男性スタッフはこういったことには無知だと思いますので。
さきほど次世代育成⽀援制度っていうのがあるというお話をさせていただいたんですけど、時短勤務者は、例えば委員会や学⽣指導なんかに関しては申し出れば、免除されるというのがあったりするので、その分他のスタッフの負担が増えることにはなるんですよね。
確かにしわ寄せという言い方が合っているか分かりませんが、フォローしてもらうことになりますよね。
なので、最低限、⾃分の仕事はしっかりやりながらプラスで、普段から他の職員に負担をかけてる分、⾃分に時間があるときは積極的に他の職員のフォローに回ったりっていうのを⼼がけてます。
大事ですよね。
あとは急遽⼦供の体調不良とかで休みをもらうこともあるので、私がいなくても誰かが対応できるように事前に代役を⽴てるじゃないですけど、他部署含め情報共有をしっかり行い、直接話しができなければカルテの記録で残すなど心がけています。
僕が前から感じている疑問なのですが、ちょうど同じタイミングで妊娠するスタッフが3人とか4人くらい出たときってさすがに現場が回らなくなるような気がするのですが、加治屋さんの職場は若いスタッフが多いと言われていましたよね?そのような状況って実際に起こったのでしょうか?
私が2人目を妊娠中に部署内でそのような状況になりました。うちの職場が特殊かもしれないですけど、法⼈内で、急性期、回復期、生活期まであるので、職員の妊娠・出産に限らずですが、体調不良で休職者がでたり、ここ数年はコロナの影響もあり、病床の稼働や臨床業務の状況に合わせてここ最近では4⽉の年度初めを待たずに、施設間での異動や、ヘルプで何ヶ⽉間応援に行くというのはあります。
それがすぐにできる体制が整っているというのが凄いですね。
私が知る限りでは、ここ数年で今のような病院間をまたいでのフォローというのが始まったと思います。急性期にしても回復期にしても病院同⼠が近いので、同日の午前と午後に分けたり、決まった曜日だけ応援に行っていた時期もありました。
病院の特性を上手く活用されていますね。少しお話しがズレるのですが、そういった働き方は看護師さんにも適応されているのでしょうか?
詳しくはわかりませんがそうだと思います。看護師もリハビリ科と同様に年度初めを待たずに異動したり、ヘルプでの応援もあるようです。
かなりフレキシブルな対応をしているんですね。加治屋さんはこれ以外にどんな要素があれば女性にとって働きやすい職場だとお考えですか?
PROFILE
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- 加治屋美香さん
2014年 理学療法士免許取得
2014年 共愛会 戸畑リハビリテーション病院へ入職 (入職後は回復期病棟で勤務)
現在2児の母
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