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「リスクを背負う覚悟はあるか?」理学療法士のパラレルキャリアの築き方

インタビュイー: 伊東浩樹さん
インタビュアー: 舩津康平

◯◯と思えば一歩踏み出せる

病院勤務しながらということですか!?

はい。NPO法⼈は⾮営利の法⼈だから、その時給料をそこから貰わないという名⽬で上の⼈たちにお話を通していました。将来的に3年たったら病院をやめて、色んなことをやっていきたかったから、もう⽴ち上げといた⽅がいいなと思ってそれから始めました。
NPO法人では幼稚園から⼤学までに医療教育その医療のこととか知識を問う提供する事業が主な仕事です。拠点とする北九州に単⾝乗り込んで、そこから1年間ぐらい⼟台作ったりする中で、同時並⾏でライターをし始めたんですね。丁度、ライターのオーディションがあって、ライターの仕事が決まりました。NPO法人の活動の⼀環で、もやい聖友会の理事⻑と知り合って、意気投合して、「これから先はこんな地域医療福祉を展開していきましょう」ということで、もやい聖友会に所属させていただきました。

ここで今の主な勤務先である法人に所属したわけですね。

次に色んな地域活動をしたり、メディアとかテレビに毎⽉のようにコメンテーターで出られるようになったりして、そこから⿇⽣リハビリテーションの仕事を頂きました。僕が今担当してるのは地域活動やボランティアといった講義を担当していて、この分野で活動しているのが、伊東くんぐらいしかおらんということでした。次に⼀般社団法⼈を⽴ち上げたんです。それが一区切りついた時に、薬局を⽴てたという時系列ですね。

一つ一つの仕事がしっかりシナジーを生んでいるのが特徴的ですね。最初のNPO法人を立ち上げたのは病院側はOKだったんですか?

僕は病院に⼊職するときから、「若⼲逸脱したやつだぞ」っていうのがもう広まっていたんですよね(笑) 1年⽬から学会発表をどんどんやるとか、僕のこと嫌いだった人もいると思うけどNPO法人立ち上げの時はそこまでの軋轢はなかったですね。

NPO法⼈を⽴ち上げて、病院とNPO法人で同時に仕事していくのが可能なら、全国のPTとかもパラレルキャリアとしてやりやすいかなと思いましたが?

病院の規定にもよると思いますし、例えば、給料とかお⾦を貰ったら、副業になっちゃいますね。副業NGの病院は多いと思うから、ボランティア的のように給料はもらわないし社会貢献のためにやりたいってことを伝えれば通るのかもしれません。

今お聞きしていて、全体を通して伊東さんは戦略家だなという印象を持ちました。今までのキャリアの中で、戦略の部分が⼤きいのか、それとも運の部分が⼤きいのかとかあったりしますか。

“戦略ありきの運“でしょうね。戦略ありきだからしっかり計画を練らないと、どれも実現しなかったと思います。ただその⼀⽅で、そのもやい聖友会さんとの出会いとか、あとは財団を⽴ち上げるに⾄ったメンバーとの出会いとかは元々予定をしていなかった部分です。そこに関しては感じた悔しさや色んなことを⾃分が変えていくんだというモチベーションを持って、信念を曲げずに歩んだ結果かなと思いますね。

戦略を練って、出したものの上に運が乗っかっているということですね。
ちなみに、NPO法人など組織の立ち上げを多くされていると思いますが、0から1を作る能⼒の秘訣とかってありますか?

これは得意なところかもしれません。”挑戦をしないと後悔する”っていうふうに思えば、⼀歩踏み出せますよね。だから”⾃分⾃⾝が後悔をしない選択を続けていく”っていうことが0から1を作っていくことに⼤きく直結してくるかなと思います。

さらにお話を伺うと⼈との出会いを⼤切にされているじゃないですか。なので出会った人たちと共に0から1を作るっていう意図があったりするのかなと思ったのですが、いかがでしょうか?

おっしゃられたように、出会った人たちと何かを作り上げるというのは、僕も重要視してる部分でして、家族持ちの仲間を呼び寄せましたよっていうエピソードもあったように、僕の右腕左腕になってる⼈たちっていうのは、学⽣のときから知ってて、いつか僕が何かやるときに君たちを必ず呼ぶからねって約束したメンバーなんですよね。ということは僕のことなんて知り尽くしているメンバーなわけで、そのメンバーさえ揃えば1にすることなんて容易いという感覚なんです。

何かを始めるにあたって、昔から知っている仲間がいることは心強いですよね。

同時に0から1をつくったあとに、今までのメンバーでは超えられない壁というのが絶対に存在していると思うんですよね。それが例えば⾔い⽅は悪いですけど、理学療法士だけで集まったとしても、できることや社会に与える影響って少なかったりすることが多いんです。なので、1の先を見越して新しいスパイスを入れていくというのが結構大事なことかなと思っています。

自分たちが持っている能力と同時に限界を知ることも同じくらい重要ですよね。
仲間集めという話題から、採用に関しての伊東さんの意見をお聞きしたいのですが、新しい事業を始めるときに初期メンバーを揃えるとして、知り合い以外の方を公募採⽤にするとしたときに、事業や⾃分に合う⼈をうまくマッチングさせるような採用基準をお持ちであれば教えてください。

まずは⾃分のビジョンっていうか、自分のやりたいことをしっかり語れる⼈じゃないですかね。例えそれが僕と全く同じビジョンじゃなくていいと思ってるんですよね。結局、⾃分のことをよく知らない方というのは、誰かののために尽くすのは難しいと思っているので、お話した時に、⾃分のことを語れて未来もちゃんと構築できるような⼈であれば、新しい⼈であっても、知り合いであっても、⼀緒にやっていきたいと思える⼈材かなというふうに思ってますね。

病院の採用試験であれば成績なんかも重要視されているイメージですが、その辺りはどうでしょうか?

僕個人としては国家試験に合格していれば、あまり成績というのは気にならないんですよね。就職して、理学療法士として患者さんに1対1で向き合うなかで逃げたり、嘘をついたりというのが本当にまずいと思うんです。なので成績が良かったとしても、自分の信念を持っている人を選ぶと思いますね。

逃げない、嘘をつかないという判断材料として自分の信念を持っているというのが大事になってくるわけですね。
伊東さんに関しては事業もそうですし、信念も持ちすぎなくらいだと思うんですが (笑) そのようなハングリー精神がどこから来るんでしょうか?

ハングリー精神というところで⾔うなら、途中で話したかもしれませんが、学⽣の頃から周囲に友⼈だろうが先⽣だろうが、将来的にこんなことをしていくんだって、その時いくら嘘つきだとか、理学療法士が診療所とか薬局とか、⽴ち上げるわけないとかいうふうに⾔われたとしても、俺はやるんだっていうふうに、プレッシャーと逆境を背負って、逃げ道をなくしてハングリー精神を培ってやっていくのは僕の中では⼤事にしていましたね。

周りに宣言をして逃げ道をなくしていったんですね。その中でも目標達成までのスピード感もとても速いように思えるのですが、そこになにか秘訣があるんでしょうか?

PROFILE

  • 伊東浩樹さん

    2014年 理学療法士免許取得

    2016年 NPO法人 地域医療連携団体.Needsを設立 現在は社会福祉法人もやい聖友会で地域医療連携室室⻑、障害福祉部⾨統括責任者として勤務しながら、リハビリテーションの養成校で講師をするなど多彩な活躍をしている。