ジユウニハタラク

住まいと暮らしをコーディネートしwell-beingの実現を目指す

インタビュイー: 天米穂さん
インタビュアー: 縄田佳志

自らの創造性を表出し、いきいきと働くこと

色々伺っているとあっという間に1時間経ちましたね。天米さんの話している姿を見てて本当にいきいきと話をされるなと感じています。

ほんとですか(笑)お客さんにもよく「楽しそうに仕事してるね」って言っていただけることが多いんですよ。普段働いている姿勢からいきいきしているのが漏れているのかもしれません…

いきいきと働くって言うは易く行うは難しだと思うんですよね。
天米さんはなんで自分がいきいきと働けていると思いますか?

人それぞれだと思いますが、バランスが取れているからだと思います。バランスにも様々ありますが、例えば仕事をしている中でやりたいこと(やりがいを感じること)とやりたくないことのバランスとかですかね。やりたくないことが圧倒的に多かったら働いていても楽しくないですよね。

もちろん、業務においてやりたいことばかりで、やりたくないことがほとんどなく、やらなくちゃいけないことがやりたいことと合致しているのが一番理想です。ただ、なかなか難しいですよね。そういう意味で環境を変えたというのは僕にとって良かったなと思うんですよ。

バランスですね、、、そのバランスが大事だなって思い始めたのはいつからですか?

そうですね。前職で勤務していた時も、もちろん楽しく働いていたのですが、途中から自分が思うやりたいことが変化してきたのは感じていました。言葉では表現しにくいですが、理学療法士として臨床業務に携わることのやりがいもありましたが、その反面で自分の中でのやりたいことが違う方向に膨らんでいってるのもあり、気持ちのバランスが取れなくなったんですよ。色々と考えた末に今よりもっと楽しく仕事をするためには、そっちに行かなくちゃなという想いがありました。

バランスが崩れてるなというのを察知したサインってあったりしたんですか?

僕の場合はとにかくうずうずしてました。

臨床で試行錯誤することにもやりがいを感じていたので、仕事中は何も思わないんですよ。 家に帰って外に目を向けて、自分の興味が向くままにアンテナを張って情報を集めたり、似たようなことをやってる方の話を聞くとうずうずするんですよ。ワクワクが止まらないってやつですよね。それが僕の中でバランスが崩れてるなーって察知する指標の一つだったのかなとは思いますけどね。

あー確かに!それは僕もわかる気がします。

いろいろと経験をしたり、学んでいるうちに、いよいよワクワクやうずうずが止まらない状態になったんですよ。元々、地域での活動にも関心があったので、現職に転職する前の、臨床3年目くらいには後輩と一緒に地域づくりを始めたんです。「人口0人の村づくり計画」というプロジェクトなんですけど、一件の空き家と、テニスコート4面分ほどの山林を舞台に、ヘルスケア×共育×遊びの3本柱をコンセプトに、参加者が自分ごととして、空き家のリノベーションや山林の開拓、イベントの企画運営を行っていけるような仕掛けづくりをしています。メインを子どもたちへの非日常的な体験学習としながら、そこで生まれる多世代交流を通して、地域コミュニティへの波及効果を狙っています。ちなみに2023年6月に一般社団法人0村CCとして法人化をしました。

僕自身も空き家再生プロデューサー®という資格を取得したのですが、より横断的に社会課題を解決していけたらと考えています。徐々に地域の環境みたいなところまで手が伸ばせたらと思っているんです。パブリックな場だったり、地域全体でどういう環境にしていけば自然とそこに住む人たちが健康に幸福にずっと暮らせるのかとか、そういうのにある程度のエビデンスを持って取り組んでいくみたいなのが最終目標だったりするので。

住まいづくりと地域づくりを両輪で進めながら、エビデンスに基づいた健康的な生活環境の実現を目指しているんですね。とても興味深い野心をもっていますね。 

住まいや地域の環境デザインを通して、健康寿命の延伸やwell-beingの実現に繋げたいと思っています。最終的な目標は「住んでいるだけで、暮らしているだけで、幸福でいられる住まいや地域」をつくっていくことです。ただそこで暮らすだけで安全で健康でいられる、安心してその人らしく暮らせる空間にしていきたいんです。それを感覚的にやるだけでなく、学術的にしっかりとしたエビデンスの下でやっていきたいと思っています。

すごく素敵だなと感じます。盛り上がってきている中大変惜しいですが、徐々にクロージングへ向かっていきたいと思います。

このFUreeworKUという事業は、理学療法士の専門性や経験を活かし各々のジユウニハタラクを模索するための気づきを提供することを目的としています。人それぞれのジユウニハタラクがあるかと思いますが、天米さんにとってジユウニハタラクとはどのように考えますか?

事前の打ち合わせからずっと考えていました(笑)その中で1つこれかなって思うことがあって。自身の考えや持っているスキルを活かしつつ、うちなる”創造性”を表出して働くことが、ジユウニハタラクなのかなって思いました。

前職での臨床経験を通じて、リハビリテーションって凄くクリエイティブな仕事だと感じていました。担当している患者さんが有す疾患だけでなく、様々な要素を考慮しながら、どうしたらこの方がその人らしくいられるのだろうって試行錯誤してきました。今は工務店で空間づくりという視点から、“らしさ”をあきらめない住まいと住まい方を実現するために、創造性を大事にして働いています。

確かに手段は違えど医療機関で行われるリハビリテーションも、住まいづくりも目指す方向は一緒なのかもしれませんね。

そうですね。医療機関で働いている時はそこまで言語化できていませんでしたが、環境を変えて実際に工務店で働く中で、徐々に共通する点も見えてくるようになったと思います。

ありがとうございます。自分にはない視点が多く、本当に勉強になりました。インタビュー時間内じゃ足りなかったんで、また話しましょう!笑

是非ともです!

福岡県理学療法士会からの案内です!
2022年度よりリニューアルされた生涯学習制度が始まっています。
生涯学習制度に関しても確認しておきましょう!

参考)日本理学療法士協会. 生涯学習制度について

PROFILE

  • 天米穂さん

    理学療法士
    福祉住環境コーディネーター2級
    ルームスタイリストプロ
    整理収納アドバイザー2級

    2018年 共和会小倉リハビリテーション病院へ入職
    2022年 株式会社神崎工務店へ入職
    2023年 一般社団法人0村CC設立(理事)

    住まいと暮らしのプランニング・コーディネートに従事。「らしさ」をあきらめない住まいと住まい方をテーマに、ものづくりに留まらない生活環境支援を模索中。その他「人口0人の村づくり計画」という活動を企画・運営中。